13.あずき (とうげ)

               




(はなし)場所(ばしょ) ・・・  下田市(しもだし)


















(ぬかし)下田(しもだ)大賀茂(おおがも)(あいだ)

「あずき(とうげ)

というところがありました。

この(むら) には、(おに)()んでいて、

人々(ひとびと)をつかまえては()べてしまうので、

村人(むらびと)たちに(おそ)れられていました。

  そのころ、大賀茂(おおがも)

 弱虫(よわむし)太助(たすけ) という(おとこ)()() んでいました。

 ある(あき)()太助(たすけ)(はは) に、下田(しもだ)まで() って

 豆腐(とううふ)()ってくるように、使(つか)いをたのまれました。
  太助(たすけ)は、あずき(とうげ)のことを(かんが)えると、

 とても下田(しもだ)には()きたくないのですが、

 大好(だいすき) きな(はは)(たの) みを(ことわ) れず、しぶしぶ() かけました。

 ()はまだ(たか) いので、太助(たすけ)下田(しもだ)(いそ) ぎました。

 午後(ごご)()()に、

 あずき(とうげ)()え、下田(しもだ)にたどりつきました。
  下田(しもだ)(みせ)豆腐(とううふ)()うと、

 太助(たすけ)大賀茂(おおがも) へと今来(いまき)(みち)(かえ) ることにしました。

 (はじめ) めのうちはぐんぐん(ある) いていましたが、

 あずき(とうげ)(ちか) づくにつれ、(あし) どりが(わる) くなりました。

 どうしても、(おに)のことが(おに) から(はな) れません。
  (うし) ろをふり() り、

 ガサッという物音(ものおと)(たち) ちすくんだりして、

 (とうげ)(みち)(ある) いているうちに、

 とうとう(ゆう) ぐれになってしまいました。

 「(あき)()はつるべ(おと) としと」といいます。

 (くら) くなっても(かえ)らない太助(たすけ)心配(しんぱい) して、

 (はは)(あに) はあずき(とうげ)(むか)えに()きました。
  ところが、どうしたわけか、

 太助(たすけ)二人(ふたり)()きちがいになってしまいなした。

 太助(たすけ)はどうにか無事(ぶじ)(やま) をおりました。

 (むら)(あか) かりがちらちら() えるところまで() たとき、

 太助(たすけ)小人(こびと)は「よく勇気(ゆうき)() して(とうげ)をこえたね。

 ほうびにこのとっくりをあげよう。

 ほんとうに(こま) ったとき、このとっくりのふたをあけなさい。 

 きっとよいことがありますよ。」

 と() って、太助(たすけ)にふしぎなとっくりをくれました。
  (いえ)(かえ)りついた太助(たすけ)は、

 (はは)(あに)もいないのでびっくりしました。

 きっと、(かえ)りの(おそ)自分(じぶん)(むか) えにあずき(とうげ)() ったと(おも) い、

 (とうげ)(いそ)ぎました。

 (とうげ)のてっぺん(ちか)くまできてみると、

 やっぱり、

 (はは)(あに)(おに)につかまり(いま)にも() べられそうでした。

「・・・・・・・・・・。」

 (いか) りに() えた太助(たすけ)は、(おに)にむけて、

 さっきのとっくりのふたをパッと() きました。
  するとどうでしょう。

 (おに)はとっくりの(くち) にすうっとすいこまれ、

 (ちい) さくなって(なか)(はい) ってしまいました。 

 「(いま)だ!」 太助(たすけ)は、(いそ) いでふたをしめました。

 それから、(はは)(あに)二人(ふたり)(たす) けました。 

 太助(たすけ)()われたとおりに、

 とっくりを(つち)(なか)()めてしまいました。
 それからというもの、

 大賀茂(おおがも)人々(ひちびと) はあずき(とうげ)安心(あんしん) して(とお) ることができるようになりました。

 (おに)(いま)でもあずき(とうげ)のどこかで、

  とっくりにはいったまま、(つち)(なか)()められていると() われています。

大賀茂(おおがも)トンネル(下田側(しもだがわ)から()る)
大賀茂(おおがも)(あき)稲刈(いねか)風景(ふうけい)

 
 
え  大川  良司

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